絨毯
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絨毯

メイン礼拝堂には、2007年にギネス世界記録で認定された世界最大の手織り絨毯があります。約1,200人の熟練職人が丹念に作り上げたこの絨毯は、複雑なイスラムのメダリオン柄が特徴です。デザインの作成には8ヶ月、手織り作業には12ヶ月を費やし、約2年の歳月を経て完成しました。

この絨毯は9つの異なるピースとして作られアブダビに運ばれた後、現地で1つに縫い合わせられました。完成した絨毯は、メイン礼拝堂を完全に覆う5,400平方メートルの面積を持ち、重量は35トンです。その材質は約70%がニュージーランド産ウール、30%が綿で構成されています。

絨毯の製造過程で特徴的なのは、礼拝者が祈りを捧げる位置を示す、縫い目でない盛り上がった線(プレイヤーライン)です。これらの線は絨毯のデザインから独立しており、礼拝者は祈りが始まる際に直観的に位置を把握できます。これらは、絨毯の一部を微妙に剃り込むことで、他の部分よりもわずかに盛り上がりをつくり、メイン礼拝堂に32本の目立つ線を描いています。絨毯にはイスラムの伝統的な文様や花の模様が施され、多くのメダリオン柄はシャンデリアの真下に配置されています。この配置により、シャンデリアがまるで絨毯に映し出されているかのような錯覚を生み出し、美しさを一層引き立てています。

例えばシャンデリアを見上げれば、中心に向かって集まる円形のアラベスク模様が目に入ります。そこには、カラフルなクリスタルが水滴のようにぶら下がり、まるで下の絨毯のメダリオン柄に落ちて、波紋を広げ、彩りを加える準備ができているかのようです。モスク全体では、シャンデリア、絨毯、壁のデザイン、ガラス工芸品が調和し合い、訪れる人々に統一感あふれる美的体験を提供しています。