キブラ壁
礼拝堂には、メッカの方角を指し示すキブラ壁が設けられています。この壁は、サウジアラビアの聖都メッカにあるカアバを向くように配置されており、全てのムスリムはこの方向に向かって祈りを捧げます。キブラ壁には、イタリア産の上質なアクアビアンカとビアンコP大理石が使われ、五角形の花模様が多数施されており、各々には「慈悲深い」「寛大な」「忍耐強い」「英知溢れる」「慈善的」など、アッラーの称賛される99の美名が刻まれています。この美しい書道はクーフィーというスタイルで、エミラティの書道家モハメド・マンディ・アル・タミーミによって描かれています。繊細な光ファイバー照明で照らされる壁には、中央の大きな円に書かれている、全能の神を象徴するアッラーの名を際立たせています。
その上に描かれた花は、意図的に空白にされています。この空白は、私たちがまだ知り得ていないアッラーの無限の特性を象徴しています。ミフラーブ(礼拝の方向を示す壁)の上部には、金色で書かれた聖文があり、それはAl-A'araf章(高壁章)からの一節で、ムスリムに対しアッラーの性質を深く理解し、祈りに活かすよう呼びかけています。キブラ壁は、祈りに集中できるよう、背後の壁よりも色使いを控えめにしています。